ホテルやレストラン、バルなどでは目の前で原木から生ハムを切り落としてもらえるところが多くあります。パフォーマンスとしての魅力が高いとも言えるのではないでしょうか。結婚式でケーキ入刀ならぬ、生ハム入刀をする方もいらっしゃると聞きます。
生ハムの本場スペインでは、生ハムをカッティングする人のことをコルタドールと呼びます。コルタドールは立派な職業であり、いかに歩留まり(生ハム1本から取れる量)を良くするか、いかに美味しく美しく提供するかを評価されます。スペイン各地でカッティングの技術を競う大会が開催されています。また、日本でもコルダトールコンテストが行われ、毎回多くの人が参加をしています。
切り方で味が変わる?
一番重要なポイントは、生ハムは切り方で味や舌触りがかなり異なってくるという点です。イメージをしやすいように言うと、刺身と同じです。刺身も美味しさは素材半分、切り方の良し悪しが半分とも言われています。
レストランやバルなどで原木を見かけることがあれば、是非その切り口に注目してください。断面が綺麗にまっすぐになっていれば、カッティングの技術が高いと思われます。
逆にU字型に削ったような断面であれば、コルタドールとしては失格です。このような状態は、肉の繊維を2度立ち切ってしまい、味の劣化や乾燥を引き起こしてしまいます。
生ハムをうまくカッティングしようと思えば、骨のつき方、カットの順番、製品を見極める力など…多くの専門知識が必要となります。まだまだ正しいカッティング技術を持った日本人は少ないですが、だからこそこの技術を身につけることによって他にはないサービスの提供が可能になるのではないでしょうか。
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