今や熟成肉がブームとなりましたが、ヨーロッパでは紀元前から保存食として生ハムのような熟成肉が生産されてきました。スペインの生ハム、特にハモン・イベリコは熟成期間が大変長いことで知られています。通常24ヶ月程度、長い物では36ヶ月以上の熟成期間を経ることで旨味を増幅させていきます。
当店が扱うアルトゥーロ・サンチェス社の生ハムは最長で60ヶ月もの熟成を行っています。現在、この60ヶ月という熟成期間は日本で流通している生ハムの中で一番長い物です。
そこでふと疑問が。
世界で一番熟成された生ハムはいったいどれくらいのものなんだろう?
世界最古の生ハム
さっそく調べてみると、2014年に書かれた記事を見つけました。
タイトルは「¿A qué sabe un jamón de 112 años?」。日本語に訳すと、「112年ものの生ハムはどんな味がするか?」という意味です。
記事によると1902年にGwaltneyという会社が熟成を行い始めたのですが、なぜか倉庫で忘れられたままになっていたそうです。 その後バージニアの博物館に寄付されたとのこと。保存状態は良く、虫に汚染されたりカビが発生してはいませんが、食べられるかどうかは「わからない」とのことです。また、100年を超える時間の中で脂肪は酸化し、肉の味は消えているだろうと考えれらています。
ここまでくると石のように固くなっているでしょうし、もはや味は飛んでいるでしょう。これを熟成と呼んでいいのか疑問は残りますが、まさに歴史的産物ですね。
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