生ハムを食べる時にみなさん気にされるのが、脂身や塩気が多く、体に悪いのではないかという点です。確かに生ハムのなかには塩気がかなり強いものもありますね。
また、イベリコ豚の生ハムは、その脂身が溶け出すことによって旨味と上品な甘みがぐっと強くなる為、脂身が好きという方が大変多くいらっしゃいます。
生ハムは果たして体に悪い食べ物なのか
レストランに入って、とんかつ、エビフライ、唐揚げ、焼肉、フライドポテト…などなど、アブラの多いメニューについ目がいってしまうことはないですか?「美味しいものは、脂肪と糖でできている」というフレーズは、どこか私たちの食生活を言い当てている気がしますね。
そのような状況のなかで自然と食事に気を配る方も増え、できるだけアブラはとらないという人も増えています。生ハムは体に悪いというイメージが生まれるのも無理はないのかもしれません。
結論からいいますと、イベリコ豚の生ハムは体に悪いというよりも、むしろ体に良いという研究結果が出ています。敢えてイベリコ豚の生ハムと言ったのは、例えば国産の生ハム(ラックスハム)は添加物が多く入った調味液に漬けこんだものですので、諸外国産の生ハムとは根本的に違うからです。中でもイベリコ豚は特殊な生態系で、他の動物たちとは一線を画す特性を持っています。
以前イベリコ豚の生態について書いたことがありますが、イベリコ豚の大好物であるドングリが体に良い影響をもたらしてくれるのです。
足のついたオリーブ
実はイベリコ豚は、足のついたオリーブとの異名を持っています。その理由は、ドングリを食べたイベリコ豚はオリーブオイルにも多く含まれるオレイン酸をその脂肪分に蓄える特性があるからです。
オレイン酸には次のようなメリットがあります。
- 血中悪玉コレステロールを減少させる
- 生活習慣病を予防
- ガンを抑制
- 胃酸の分泌を調整して、胃の健康を守る
ドングリには65%以上のオレイン酸を含んでおり、それを食べたベジョータランクのイベリコ豚の肉には55%ものオレイン酸が含まれています。これは和牛を凌ぐ数値です。ドングリを食べていないイベリコ豚(セボ)に関してはもっと低い値になります。
オレイン酸のすごさ
オレイン酸は一価不飽和脂肪酸という種類に分けられます。他の脂肪酸と違い、酸化されにくいという特徴があります。悪玉コレステロールを増やすことなく、善玉コレステロールだけを増やす働きがあり、悪玉が減るので、動脈硬化の予防、改善に効果があるとされています。
地中海沿岸にすむ人たちは、他のヨーロッパの国々の人に比べるお、心筋梗塞の発症率が極めて低いことが研究で明らかになりましたが、これはオリーブオイルを多く摂取しているからだと言われています。
また、オレイン酸には女性に嬉しい特徴があります。それは、「美肌を作る特効薬」であるという点です。肌の皮脂を構成している脂肪酸の中で、一番多く含まれているのがオレイン酸であり、皮膚を柔らかくする効果があるので、気になる角質のゴワツキ、小じわなどを抑制・改善する効果を期待できます。年齢を重ねた肌を若返らせる効果があり、肌馴染みがとても良いので、実際に様々なスキンケアアイテムに活用されています。
まとめ
オレイン酸を多く含むイベリコ豚の生ハムは動脈硬化の予防や美肌効果が期待できる、体に良い食べのもです。ただし、すべての生ハムが体に良いというわけではなく、良質なドングリを多く食べたイベリコ豚が当てはまります。
もちろん、食べすぎは毒ですよ。
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