スペインでは消費者に対して正しい情報を提供することを目的に、イベリコ豚の品質について法律で規定がなされています。最近では2014年に品質規定に関する勅令が公布され、それまで有効であった2007年の規定に変更が加えられています。
ポイントは次のとおりです。
- 消費者に正しい情報を提供することを目的とする。
- 販売用呼称は「デ・ベジョータ」、「デ・セボ・デ・カンポ」、「デ・セボ」の3種類とし、「レセボ」は廃止。
- 製品のラベルを分かりやすいものにし、呼称に関して消費者の誤解を招くことのないように、イベリコ種はその割合についてまで明記することを義務付ける。
- 「ベジョータ(どんぐり)」、「デエサ(豚を放牧する森林地帯)」という単語や、これらに関連するロゴ、イラスト、写真、マーク、記述は、「デ・ベジョータ」製品のラベルや広告に限られる。
- ハモン、パレタには、堵畜場で販売用呼称により色分けされたタグを装着し、管理を徹底する。
- 熟成期間、最終製品の重量について、より厳格な規定を設ける。
- 農場飼育時の一頭あたりの最低面積を広げ、放牧時における一定面積あたりの頭数に制限を設ける。
イベリコ豚製品を扱うレストラン・飲食店の方々とお話していると、まだまだ新しい規定の公布が知れ渡っていないと感じます。大きな変更点としては「レセボ」と呼ばれるランクがなくなったこと。そのかわりに出来たのが「セボ・デ・カンポ」というランクです。
もともとレセボは「放牧を行いドングリを食べたものの、規定の体重まで増加しなかった為に飼料を与えた」イベリコ豚が該当します。セボ・デ・カンポのデ・カンポとは野外飼育という意味で、つまり放牧させたものを指しています。
セボ・デ・カンポは放牧をしているため、自然の餌(穀物やハーブ)を食べています。今回廃止されたレセボはこのセボ・デ・カンポに含まれるようになります。
まとめ
もともと4つあったランクが、今回の変更により3つになります。
2014年の勅令(変更後)
ランク | 定義 |
ベジョータ | 放牧中にドングリ、草、その他の自然の産物のみを食べて育ったイベリコ豚。 |
セボ・デ・カンポ | 放牧中にドングリ、草、その他の自然の産物を食べ、穀類を主とした補完飼料も食べて育ったイベリコ豚。 |
セボ | 穀類を主とした飼料を与えられ小屋の中で飼育されたイベリコ豚。 |
今一度お使いになっているハモン・イベリコのランクをお確かめ下さい。
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